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震災によって失われた街の機能が目に見える速さで復興していく中で、目に見えないこころの復興は追いつかず、溝が深まっていく現在の状況です。精神的に集中する事が困難な中、人には日常を忘れて夢中になる時間が必要だということを感じ、文化芸術はこころの溝を埋めるために、人に寄り添うことができる機能かもしれないと考えてきました。
現在も増えている「出前」の要望や、施設と協働で行われているアートプログラムの研究・開発は、文化芸術のニーズが震災特需ではなく、もとより日常に必要とされていたのかもしれないと、地域や立場の枠組みを超えたネットワークの中で感じるようになっています。
本会議は震災直後に芸術文化が担った役割を検証し、これからアーティストが担う役割を思い描きながら、仙台というまちに文化芸術はどのように寄与できるのか?を、2年目のARC>Tの第一歩として、市民のみなさんと一緒に考える場として、開催しました。
■会 場: せんだいメディアテーク1F オープンスクエア(宮城県仙台市青葉区春日町2-1)
■日 時: 2012年4月7日(土)13:00〜20:30
■参加費:無料

第一部

ARC>Tの報告
-この一年歩いて出会った全ての人と-

13:00〜15:00

進行:鈴木拓

4月4日に設立されてから一年、出前や創作、招聘、ワークショップなど多岐にわたり、多様な活動をしてきたARC>Tの一年をこれまで出会ってきた施設の方や協働してきた方と振り返りをしました。一年の活動を見ながら、検証し、未来について考えていきます。あるくと100人会議は三部構成で間の休憩には「あるくと体操」を行いました。

第二部

まちの再生、アートの再生

15:30〜17:30

進行:坂口大洋(仙台高等専門学校建築デザイン学科准教授)

坂口さんによる公共ホールの被災状況や震災前後と復旧プロセスの調査データのプレゼンをふまえ、場の再生について考えました。被害の原因を特定し、解決可能なのかどうか整理することが10年後20年後の災害対策に関わってきます。場所と人との関係というこれまでの公共の施設では作れてこなかった部分を震災を機としても、今後は場と人の関係性を紡いでいけるのではないか、関係をつくる活動が公共性を得るのではないかという意見が出ました。

第三部

明日を生きるために
-10、20、100年後の仙台-


18:00〜20:30

進行:原西忠佑・伊藤み弥

10年前、20年前の社会はどうだったかという比較もしながら、まちの中にある劇場の役割や広場としての劇場、公共の場としての劇場・・・これまでの劇場の在り方を課題に新しい劇場の在り方について話し合いました。まちを考えるときに分業ではなく、全体を考えること。アートは劇場の中でもなく外でもなくあること。制度をつくることも大事だが運用していくことも大事であること。など、劇場関係者や一般市民の方、ダンサー、俳優からさまざまな意見が出されました。